冬の奈良を彩る壮大な伝統行事「若草山焼き」。
毎年1月の第4土曜日に開催され、夜空を焦がす炎と華やかな花火が幻想的な風景を生み出します。
この行事は、古くから奈良に伝わる歴史ある祭典であり、新年を迎える風物詩として多くの観光客を魅了しています。
なぜ山を焼くのか?どこで見るのがベストなのか?この記事では、若草山焼きの歴史や見どころ、楽しみ方を詳しくご紹介します。
寒い冬だからこそ味わえる、奈良の夜の絶景をぜひ堪能してください!
若草山焼きの歴史と由来
若草山焼きの起源には諸説ありますが、主に以下の三つの説が伝えられています。
境界争いの解決説
江戸時代以前、若草山を巡って「東大寺」と「興福寺」の間で領地争いがあったと言われています。
争いを防ぐため、山全体を焼くことで白紙の状態にし、どちらのものでもないという形にしたのが始まりだという説があります。
供養・鎮魂説
若草山のふもとには、「鶯塚(うぐいすづか)」と呼ばれる古墳があります。
この古墳に眠る霊を鎮めるため、または先祖供養の意味を込めて山を焼いたという説もあります。
野焼き・害獣駆除説
若草山は昔から放牧地や草地として利用されていました。
雑草を焼くことで新たな草の芽吹きを促し、また害虫や害獣を駆除する目的があったとも考えられています。
現在の若草山焼き
現在では、若草山焼きは奈良の伝統行事として、毎年1月第4土曜日に開催されます。
奈良公園や東大寺周辺の観光名所とともに、多くの人々がこの幻想的な光景を楽しみに訪れます。
点火前には、春日大社の神職による「御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)」が行われ、その神聖な火が若草山に灯されることで、壮大な炎の祭典が始まります。
このように、若草山焼きは単なるイベントではなく、歴史や文化、信仰が深く結びついた伝統行事なのです。
若草山焼きの見どころ
若草山焼きは、冬の奈良を代表する壮大な伝統行事であり、炎と花火が織りなす幻想的な光景が魅力です。
ここでは、特に注目すべき見どころをご紹介します。
若草山からの夕焼け

一番迫力のある山焼きを観覧できる若草山麓では、山焼き前の17:45~18:00頃、美しい夕焼けを見ることができます。
のんびりと日が暮れる様子を眺めながら過ごす、山焼き開始までの時間は特別な思い出となるでしょう。
大迫力の打ち上げ花火

点火直前の18:15頃には、約600発の打ち上げ花火が夜空に咲き誇ります。
真っ暗な冬空に輝く花火も見どころの一つ。
冬の澄んだ空気の中で、より鮮やかに花火を楽しめます。
山麓エリアでは目の前で迫力ある花火が楽しめ、浮雲園地や春日野園地からもきれいに眺めることができます。
点火の瞬間 – 炎が駆け上がる迫力シーン

若草山焼きのみどころは、やはり点火の瞬間!
春日大社の神職による「御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)」で神聖な火が運ばれ、
18:30頃に一斉点火されます。
次第に燃え広がる炎が山肌を覆い尽くし、奈良の夜空を赤く染める光景は圧巻です。
奈良の夜景と燃え上がる山のコントラスト

若草山からの夜景は、関西屈指の美しさを誇ります。
山焼きの炎が奈良の町を赤く染め上げる様子は幻想的で、まるで別世界のような景色を生み出します。
山麓エリアの他に、奈良公園周辺や東大寺からの眺めも絶景スポットとして人気です。
夏の風物詩、燈花会も特別開催

花火終了を目安として、奈良の夏の風物詩である「なら燈花会(とうかえ)」が奈良国立博物館にて、特別に出張開催されます。
奈良公園から、近鉄・JR奈良駅方面への帰り道に、山焼きと合わせて楽しむことができます。
燃え尽きた後の幻想的な余韻

山全体が焼かれた後、地面から立ち上る煙と残り火が静かに揺れる様子も、風情があります。
翌朝には真っ黒になった山肌が広がり、新たな年の始まりを象徴するかのような清々しい景色を楽しめます。
是非奈良に泊まって若草山焼き翌朝の風景も楽しんでください。
若草山麓にあり山焼きを堪能できるおすすめホテル
VILLA COMMUNICO

VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)は、奈良・若草山のふもとにある全5室の高級オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)。
ミシュラン一つ星シェフが監修し、奈良の食材を活かした薪火料理を提供。
地元の生産者とのつながりを大切にしながら、新しい食文化を発信しています。
「COMMUNICO」はラテン語で「共有」を意味し、訪れる人々が自然や料理、空間を通じて特別な時間を分かち合える場所となっています。
名称 | VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ) |
アクセス | 近鉄奈良駅より車で約7分、徒歩約30分 |
駐車場 | あり(5台・無料) |
古都の宿 むさし野

「古都の宿 むさし野」は、奈良公園内、若草山の麓に位置する純和風旅館です。
江戸時代から続く奈良最古の宿で、全12室の客室はそれぞれ異なる趣を持ち、露天風呂付きの部屋も用意されています。
門前には鹿が訪れ、春日大社や東大寺などの世界遺産へも徒歩圏内と、観光に便利な立地です。
四季折々の懐石料理を部屋食で楽しめ、歴史と自然に囲まれた静かな環境で、心安らぐひとときを過ごせます。
名称 | 古都の宿 むさし野 |
アクセス | 近鉄奈良駅より車またはタクシーで約6分 |
駐車場 | あり(8台・無料・要予約) |
ザ・ディアパークイン


ザ・ディアパークインは、奈良公園内に位置するゲストハウスで、世界遺産や自然に囲まれた環境が魅力です。
館内全域で無料Wi-Fiを利用でき、共用キッチンやダイニングルームも備えています。
客室は全10室で、トイレとシャワールームは共用となっています。
周囲には鹿が生息し、自然豊かなロケーションで、世界中の旅人との交流を楽しめます。
名称 | ザ・ディアパークイン |
アクセス | 近鉄奈良駅より徒歩約25分 またはバス停「春日大社本殿」より徒歩約5分(奈良公園内) |
駐車場 | なし(宿前の駐車場を一泊1,000円で利用可能) |
若草山焼きを楽しむポイント
若草山焼きを存分に楽しむためには、観覧スポットの選び方や寒さ対策が重要です。
ここでは、快適に楽しむためのポイントを詳しくご紹介します。
おすすめ観覧スポットを選ぶ
若草山焼きを最高のロケーションで観覧するために、以下のスポットをチェック!
若草山山麓(迫力満点の絶景)
魅力 | 点火の瞬間を間近で見られる最前列! |
アクセス | 近鉄奈良駅から徒歩30分 JR奈良駅から徒歩40分 |
ポイント | 山焼きの炎の熱さを感じられるほどの迫力。 最も混雑するため、早めの到着が必須。 |
奈良公園周辺(定番スポット)
魅力 | 鹿と一緒に若草山焼きを眺めることができる! |
アクセス | 近鉄奈良駅から徒歩約10分 JR奈良駅から徒歩20分 |
ポイント | 東大寺・春日大社を巡った後に観覧できる便利なスポット。 浮見堂周辺もおすすめ。 |
平城京跡(人気フォトスポット)
魅力 | 人混みを避けつつ、奈良全体の風景とともに鑑賞できる! |
アクセス | 近鉄新大宮駅から徒歩20分 |
ポイント | 朱雀門とのコラボレーションを楽しめる |
防寒対策をしっかり!
奈良の1月夜は非常に冷え込みます。以下の防寒グッズを準備しましょう!
- 厚手の防寒具
- 手袋&マフラー
- カイロ
- 温かい飲み物
また山麓エリアで鑑賞する場合は、レジャーシートがあると便利。
急斜面の為、荷物はバックパックなど背負うか、肩から掛けられるものがおすすめです。
早めの到着で混雑回避!
若草山ふもとや奈良公園は午後4時頃には混み始めるため、早めの場所取りが重要。
電車やバスも混雑するので、できるだけ早い時間に移動を済ませておくのがベスト!
夕食の予約も早めに!
山焼きが終わる頃は、ちょうど夕食時。
山焼き終了後1~2時間は駅や電車は、かなり混雑します。
時間に余裕のある方は、周辺で夕食を済ませ、空いてきた電車で帰るのがおすすめ。
駅周辺の飲食店はすぐにいっぱいになりますので、事前に予約が必須です。
山麓エリアからなら19:30頃、奈良公園付近からは19:00頃が予約時間の目安です。
若草山焼きを存分に楽しもう
炎と花火、そして伝統が融合した若草山焼きは、冬の奈良でしか味わえない特別な体験。ぜひこの壮大なイベントを楽しんでみてください!
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