大阪中之島美術館にて「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」が、開催されています。
歌川国芳の展示は大阪ではなんと13年ぶりで、総展示作品数400点という、大規模な展示となります。
しかも前期・後期で約9割の作品が入れ替わるとのこと。
この記事では、歌川国芳ってどんな人?という疑問や、行くか迷っている方や、もう見た方にも楽しんでもらえる、展示会の概要やみどころをご紹介します。
歌川国芳(うたがわ くによし)ってどんな人?
歌川国芳は江戸時代末期(1797年 – 1861年)に活躍した浮世絵師で、武者絵・戯画・風刺画・美人画など幅広いジャンルで活躍した人物です。
特にダイナミックな武者絵やユーモラスな動物画・妖怪画で人気を博し、幕末の浮世絵界を代表する存在となりました。
破天荒な性格で、時には幕府の検閲と戦いながらも、常に独創的でエネルギッシュな作品を生み出し続けました。
特に漫画やアニメのルーツとも言える表現手法を確立し、現代のクリエイティブ文化にも大きな影響を与えた偉大なアーティストです。
歌川広重との関係は?
歌川といえば、歌川広重が有名ですよね。
歌川国芳と歌川広重は、1歳違い(広重が年上)で同じ年代に活躍しています。
二人とも同じ歌川派に属していますが、二人に直接の師弟関係はなく、歌川国芳は歌川豊国、歌川広重は歌川豊広の弟子でした。
北斎とはどんな関係?
国芳は歌川派(特に歌川豊国の門下)に属していましたが、北斎は勝川派に学んだ後、独自のスタイルを築いた浮世絵師です。
そのため、二人が師弟として直接関わったことはありません。
国芳が活躍し始めたころ、北斎はすでに人気絵師であり、「富嶽三十六景」などで名を馳せていました。
ダイナミックな構図や動きのある描写に関しては、国芳が北斎の影響を受けていたと考えられます。
特に、北斎の『北斎漫画』は、国芳の自由な発想や戯画にも影響を与えた可能性が高いです。
「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」みどころ
武者絵の名手
歌川国芳は、「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」など、中国の『水滸伝』を題材にした勇壮な武者絵を数多く描きました。
迫力ある構図と躍動感あふれるタッチが特徴で、まるでアクション漫画のような躍動感があります。
「坂田怪童丸」(金太郎の豪快な姿を描いた作品)など、豪快なヒーロー像を描くのが得意でした。
風刺とユーモア
幕府の厳しい検閲をかいくぐりながら、庶民の不満を風刺する絵も描いていました。
「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」では、さまざまな人物の集合体として大男を描くなど、奇抜な発想が光る作品を残しました。
動物画・戯画の名手
歌川国芳は、特に「猫好き」で知られ、「其まゝ地口 猫飼好五十三疋(みょうかいこうごじゅうさんびき)」のように、かわいらしい猫をユーモラスに描いた作品を多く残しています。
他にも金魚や蛸(タコ)を擬人化したユーモラスな絵も人気でした。
妖怪・幻想的な作品
幽霊や妖怪をテーマにした作品も多く、特に巨大な妖怪が登場する「相馬の古内裏(そうまのふるだいり)」などが有名です。
怪奇な雰囲気を醸し出しながらも、デザイン性が高く、現代のホラーアートにも通じる魅力があります。
「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」開催概要
会期 | 2024年12月21日(土)~2025年2月24日(月・休) 前期:2024年12月21日(土)~2025年1月19日(日) 後期:2025年1月21日(火)~2月24日(月・休) |
会場 | 大阪中之島美術館 4階展示室 〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1 [Google Map] |
開館時間 | 10:00~17:00(最終入場16:30まで) |
休館日 | 月曜日、12月31日、1月1日、1月14日 ※2025年1月13日、2月24日は開館 |
料金 | 一般:1,800円 高大生:1,500円 中学生以下:500円 |
巡回 | 山口県立美術館:2025年9月25日(木)~11月24日(月・休) 愛知県美術館:2026年春 |
歌川国芳展 と一緒に大阪観光も楽しんで
1月上旬の休日に伺った際は、入場まで30分ほど並びました。
ぜひ余裕を持ってご来場ください。
美術館へ行った後は、大阪観光も楽しんでくださいね。